■『ぼくのマンガ人生』 手塚治虫 [書評]
書評
『ぼくのマンガ人生』
手塚治虫
最近新書ばかり読んでいる。これは手塚治虫の自伝に近いものだが、
色んな所での講演録をまとめたようなものだ。
実はあまり頭に入ってこなかったので殆んど流し読みしたのだが、
印象的だったのは、やはり最後に出てくる短編マンガのエピソードだ。
ガキ大将的な存在が、自分の才能に目を付けてくれ、いじめるどころか
友達になってくれて自分を鍛えてくれる。
少年「治」の成長過程でのキーパーソンだ。
そして、悲しきかな、その友人は戦死する、という末尾のコメントに、
黙して語らんとする手塚治虫の哲学が垣間見える。
実はあの川端康成と笹川良一の関係もこのようなものであったそうだ。
(どっちが「ガキ大将」だったかは言うまでもない)
たかが13,4年生きたくらいで人生に見切りを付けて飛び降りる馬鹿共と、
我が子を死なせた責任も感じずに醜態をさらす大馬鹿親共には
是非読んでいただきたい本である。
…と、汚い言葉でまとめてしまったところに、小生のこの本に対する所感が
現れているわけで、そこを読み取れる方は読み取っていただけたら幸いです。
2006-11-08 02:25
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