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■『中国の現代史』/奥村哲 [書評]

世間は夏休みだし…

今の自分は肩書きも任務もない、もはやただの大学生である。2年前には想像も
つかなかったが、幸か不幸か、これも一つの運命だと思い、有り余る時間を今年は
本をたくさん読むことに費やしたいと思う。

というわけで今回から小生が読んだ本の中で、これは!というものをちょくちょく紹介
していきたいと思う。カテゴリーは2文字で統一したかったから偉そうに「書評」と
させていただいたが、実質は読書感想文のようなものである。【きょうの一曲】でも
そうだが、元来評論は得意ではないので、不得意なくせして言い訳で
「他人の評価を読んでる暇があったら
 自分で体感しろ!!」

という信念を持っているので、おそらくこの読書感想文についても
紹介程度にとどめることが多いと思う。

と、こうやってブログ上で宣言をしとけば、嫌でも今年の夏はたくさん本を読めるかな…
という期待を込めつつ。


さて、第1回は、こんな本をとりあげてみようと思う。

★『中国の現代史 ~戦争と社会主義~』
 奥村 哲  青木書店
 1999/12・第一版発行

実はこの本の著者は都立大人文学部の教授で、小生はその先生の講義
「アジア史」をとっていて、教科書として買わされたものである。

小生は高校時代真面目に歴史を勉強しなかった。受験はマイナー派の地理。そのため
知識が乏しく、昨今の東アジアをとりまく状況についても堂々と意見できる資格がなかった
わけだが、今回この先生の講義で中国および東アジアをとりまくここ200年の近代史や、
社会主義とは何だったのか、について、しっかりと勉強できた。

戦争によりもたらされた社会主義体制。毛沢東という人の出現~台頭~頓挫。
「中国って未だに社会主義で縛られてる古い国でしょ」という誤った中国観を
一掃させてくれる一冊である。
社会主義の入門書として、中国の近代史の入門書として、とても読みやすいと思う。

奥村先生は講義の最終日で、こんなメッセージを残している。
「昨今北朝鮮問題が騒がれているが、
 まずは国際的緊張の緩和が必要だろう。
 日本は関係改善のため、相手についても言うべきことを言うべき。
 そのために、自国の問題をはっきりさせなければならない。」

中国の現代史―戦争と社会主義

中国の現代史―戦争と社会主義

  • 作者: 奥村 哲
  • 出版社/メーカー: 青木書店
  • 発売日: 2000/01
  • メディア: 単行本


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コメント 2

えいこう

こんばんは。
奥村哲氏の社会主義、更にはそれを進めた共産主義に対する考え方、大いに興味があります。しかし如何せん、財政難の私には、書籍の値段が……。
恐らく、日本人が一般的に認識しているそれとは、かなり乖離していると思われますが。
by えいこう (2005-08-07 01:32) 

俺

早速ありがとうございます。確かに、この値段はキツかったです…図書館や古本屋に置いてれば良いのですが。
次に紹介する予定の本も(まだ読み始めてもいないのでいつになるか分かりませんが…)、定価が5000円以上と、破格で困りました。どうしてこう大学教授が書いてるお堅い本って値段が高いんでしょうか……

この先生は中国中心に研究を進めていらっしゃる歴史学者ですが、おそらく歴史学者の中でも見解は分かれるでしょうし、どれが正解というのは一概に言えないところがあるように思います。なんてことを熱く語っているのが、8日の記事です(と、ちゃっかり宣伝)。
by (2005-08-07 02:05) 

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