★ことば248「お~い」 [ことばトレンド最前線]
★シリーズ 【ことばトレンド最前線】 vol.248 2008.6.13
「お~い」
小生の記憶に間違いがなければ、今から十年ほど前、伊藤園の「お~いお茶」のテレビCMはこういう内容であった。
老父が「おーい、お茶!」と呼ぶ。そして、「はーい」と言ったか言わないかは忘れたが、老母がお茶を持ってくる。
それだけのことだ。何気ない、ワンシーン。お茶を飲むというシチュエーションにはこの上なくふさわしい「何気なさ」だ。
しかし、このCMはやがて放送されなくなる。その理由を聞いて驚いたのだが、男尊女卑の家父長制を想起させるものだとして、クレームが入ったというのだ。
そして、CMの出演者は山に向かって「おーい」と叫ぶ若い女性へと変わった。その後、何度かリニューアルしているが、いずれも「お~い」の対象は不明確になっている。
おーい…どこへ行ってしまったのか。皮肉にも、ペットボトルのお茶が「お茶酌み」文化を凌駕した。そこには、男尊女卑という問題と別個に考えるべき、日本人の慎ましやかさがあった。
(397文字)
「お~い」
小生の記憶に間違いがなければ、今から十年ほど前、伊藤園の「お~いお茶」のテレビCMはこういう内容であった。
老父が「おーい、お茶!」と呼ぶ。そして、「はーい」と言ったか言わないかは忘れたが、老母がお茶を持ってくる。
それだけのことだ。何気ない、ワンシーン。お茶を飲むというシチュエーションにはこの上なくふさわしい「何気なさ」だ。
しかし、このCMはやがて放送されなくなる。その理由を聞いて驚いたのだが、男尊女卑の家父長制を想起させるものだとして、クレームが入ったというのだ。
そして、CMの出演者は山に向かって「おーい」と叫ぶ若い女性へと変わった。その後、何度かリニューアルしているが、いずれも「お~い」の対象は不明確になっている。
おーい…どこへ行ってしまったのか。皮肉にも、ペットボトルのお茶が「お茶酌み」文化を凌駕した。そこには、男尊女卑という問題と別個に考えるべき、日本人の慎ましやかさがあった。
(397文字)
ペット茶の味に、茶ソムリエが評価するという映像を見た時は思わず口が開きっぱなしになりました(5年くらい前のことだったか…)。
その頃初めて生茶を飲んで、そこに午後の紅茶と同じ系統の味を感じ「あぁ、お茶も清涼飲料水になったんだな」と思ったもんです。
by stickman (2008-06-16 23:15)
そういう経緯があったのですね。知りませんでした。
おーい!っと男性に言われたら男尊女卑になるとは考えもしませんでした。
どんな言葉も取り様によっては色んな受け止め方が出来るものですね。
きっと、受け止める意識に染まるのでしょう。
by ゆき (2008-06-17 08:08)
つまらんことに文句をつける人がいるもんですね。
島田正吾さんがいい味を出していたのに。
by okko (2008-06-17 11:10)
皆様、コメントありがとうございます。
>stickman 様
茶ソムリエがペットボトルですか…恥も外聞もあったもんじゃない、ということでしょうかね。金になればそういう仕事も引き受けるのか、それとも他意があるのか。
>ゆき 様
本当に、「取りようによって」ですよね。同じ言葉でも相手を考えなきゃいけないというのはメディアの(とりわけ報道の)永遠の課題なんでしょうが、しかし考えすぎるのもどうなのかと。
>okko 様
そうですよね。つまらんこと。
出てらしたのは島田正吾さんでしたか。なるほど、調べてみたら1992年のCMだったそうな。当時ワタクシ、小学校2年生でした。
by 俺 (2008-06-23 15:30)