海猿2 [雑記]
あれから未だに気になっている。
海猿というドラマは見てなかったし、映画もこの間テレビでやっていたのを適当な気分で見ただけだ。
伊藤英明には役者としての魅力も感じない(今はどうでも良いが、彼がフライデーされた頃、中野アナがちょっと好きだった…これはどうでもいいが)。
海猿自体、ストーリーもつまらないし、笑いも涙もないし、役者もいまいち。なんだこの映画とこき下ろしたい衝動に駆られた。
しかし、気になっている。人間の根源的なテーマがどうも随所に埋め込まれている気がする。
というより、作者は自分の思ってることを主張したくてしたくてたまらず、エゴイスティックな描写に終始している感がある。作家なんて思ってることの1%も言えないものだろうが、この作者は無理をしているのか分かってないのか、無理やり伝えようとしているところがあり、それゆえ退屈なストーリーなのかもしれないが、何か引っかかる。
これは近々原作を読まなければならなそうだ。
余談:
最近本は全然読んでいない。買ったのは、劇団ひとりのやつだけ。学術書も漫画も何も読んでいない。強いて言えば、芥川龍之介をちらっと読んだ。あと、今月の文藝春秋の阿川親子VS村上龍は読んだ。
それはどうでもいい。海猿だ。
海猿、これは前回書いた時には「人間は辛くても何も楽しいことがなくても使命として全力を傾けなければならない仕事を持たなければ」とか何とか言った気がする。これは一つのメッセージとして描かれていたテーマだ。
もう一つ注目したいのは、映画(今公開されてるのじゃなく第一作?)での伊藤英明演じる主人公・仙崎がバディを見捨てず助けようとしたシーンだ。
教官の厳しい質問が脳裏をかすめる。
「深海で事故。バディと2人、取り残された。ボンベは片道一人分しかない。どうする?」
これは実に残酷な質問だ。
一人分しかない。これは食料ならば精神論を言ったりできるが、海底における酸素となれば、
例外なく一人分しかないことになる。まして、呼吸をしていく以上刻一刻と酸素量は減っていく。つまり、瞬間に答えを出さなければならないのだ。悩む猶予すら与えられない。
ここで、自分だったらどうするか。バディを見捨てて自分だけ生き残るか。ちょっとずつ分けようとして2人とも死ぬか。或いは…
仙崎は第三の道を選択しようとした。「2人とも助かる方法を探します」と。
映画上では一つの解として「他の仲間が助けに来てくれるのを信じ、二人でその場にとどまってボンベを共有する」という行動を仙崎はとった。
結果的には仲間が、そして上司がルールを破って助けに来てくれたが、これは結果論で成功だったというだけのことであり、もし仲間の到着が遅れて死んでいたらどうだったのか。
情に重きを置いたばかりに1人も生還できず、取り残された地上の人たちを悲しませる結果になっていたら、どうするのか。
しかし、バディを見捨てて自分が助かって、その後生還したそいつは平穏に生活できるだろうか。大きなトラウマとなってしまうのではないか。
人は他者に対して「お前の分も生きる」なんて偉そうなことを果たして言うことができるのだろうか。
じゃあ自分が犠牲になって相手に助かってもらうか?
率直に言うと、小生はこの問いに対する答えを出せていない。
死に直面した体験がないこともあるが、犠牲とか奉仕とか、或いは抜け駆けとか独占とか、こうした問題に対しては逃げる以外に術を知らない。
鉄腕アトムもミスチルのHEROもそうだが、それ以上に突き詰めて考えさせようとするこの問題に対して、ずっと考え続けているのだ……
海は怖いね。
難しすぎて、思考がストップしました。
人は冷静でいられなくなった時に、本当の自分が出るらしいし・・・怖
ずっと、冷静でいられなくなる場面に遭遇しないで、生きたいです。
by まめ (2006-05-21 15:00)
そういう状態にならないようにしても、
人生の中で危険な職業についている方々や、
天災に遭ってしまった時なんかに
必ず起こってしまうときってありますよね、そういう類の”究極の選択”。
自分が大事か、他人が大事か、
それとも後に残る名誉やプライドが大事か。
海猿のこのエピソードの場合は、
2人で生き延びる、という最も可能性の低い方法を選んだ訳ですが、
それは2人が危険な状態であることに気付いてくれる人が居た、
つまり、
心のどこかで他に対する保険があったから成り立ったと思うんです。
じゃあ、本当に2人しかいないところで実際こういうことが起きた時、
この主人公はなんという答えを出すんでしょうか。
・・・こんなこといって、私自身だって”正しい”答えはわかりません。
こういう問題って結局の所、誰もが理解できる答えなんてない。
でも、もしも自分が海猿的な職業についたとして、
そういう事故がおきた場合、
きっと私は自分が生き残る道を取るでしょう。
生き残ってしまえば必然的に大きなトラウマや
自分が行き続ける限り様々な批判を抱え込むと思うんですが
それでも、それでも、
死ぬことよりはいいとおもうのです。
それがどんなに仲の良い友人であろうと、上司だろうと
きっとそうするでしょう。
それが、そういう仕事のつくときの最低認識、条件だと思うからです。
あー自分は若いなあ・・・きっとこれ送信した後に悩むんだろうな・・・。
ははは。
by skilly (2006-05-22 05:52)