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少子化問題を考える 4 [主張-時事]

昨日半ば意識の泥酔状態で-酒は飲んでないのだが、酒を飲んだ時の混沌状態とハイテンション状態が脳内で起きていたのだ-書き連ねた記事に、早速面白いご意見をいただいたので、ちょっと発展させて考えてみたい。

人口数の面で少子化を考えていくと突き当たる問題として、「国家のアイデンティティ」とか「国民性」とか、そうした問題が出てくるように思う。
決してナショナリズムに限ったことではない問題意識として、「日本国民」たるものがその総数を激減させたとき、比例して日本的な伝統文化だとか日本人の国民性、意識、習俗といったものも喪失されていくのではないかということだ。

ととさんのおっしゃるイスラエル・パレスチナ問題もそこに原因があったのではないかと小生は見ている。

では日本人はどのような国民性があり、何故喪失させてはいけないか。それを話し出すとおそらく答えは出ないし、本論からずれてしまうので、ここでは恐縮だが割愛させていただく。

一つの国民性として、戦後の日本人は勤勉・真面目さを持っていた。だからこそ、BAKUさんの懸念される数的問題の超越ということも、それが一つの解になったのではないだろうか。つまり、日本人は欧米に追いつけ、追い越せで、ひたすら頑張ればその分豊かな生活が手に入るという意識の下、ひたすら働いた。そして、高度経済成長を遂げた。もっとも、朝鮮戦争の特需が復興の端緒だったという悲壮な歴史もあるのだが、兎も角、欧米に対する脅威としてこの小さい日本国はなり得たのだ。至極分かりやすく言うと、アメリカ人が3億人かかって稼ぎ出す以上に1億そこそこの日本人は稼いだということだ。
もう一つ、わが国が伸張した理由の一つとして、日本人の手先の器用さもあるだろう。技術立国の逸話はここに書くまでもなく読者諸氏はご存知のことと思う。

現在問題となっているのは、バブル期以降日本人の勤勉性が崩壊したということと、手先の器用さが問われる技術系の雇用分野において若い世代が引き継いでいないということだ。これはどちらもアメリカの圧力ということが背景にある。
まず前者は、完全なる圧力であろう。雇用のシステム・制度という面からもそうだし、人々の意識の面でも、ひたすら働いて過労死するまで働く環境は減りつつあるし、若い世代の意識としても「そんなに働いてどうするのだ」という懐疑の念がある。勿論過労死するのがいいとは思わないが、真面目さの喪失がもたらす危険性をまだこの国は本気で考えてないのではないかと思える。
IT長者なんてのがテレビに出てきて株やらM&Aやらをやっているというのはその象徴的な画であろう。学歴・頭脳が全ての物差しとなり、3K的な仕事や金にならない仕事には目を向かなくなる。大卒者が当たり前になりつつある現代ではなおさらそうだろう。
そうすると、日本の最下層での雇用分野、つまり縁の下の力持ち的なところ、技術立国を支えた分野での従事が日本人ではなくなり、南米や中国やの出稼ぎ者、留学者により支えられることとなる。
さらには、企業も経費削減を目論んで人件費や物価の安い東南アジア・中国へ工場を移すようになる。こうなると、中国に技術はパクられるわ、日本の同業者は仕事がなくなって工場閉鎖・廃業・倒産に追い込まれたり、手先の技術を習得する若者が減ったりと、問題が積み重なる。

おそらく昨今政府がやろうとしているフリーター対策はこうした分野での復権を目論んだ「職業訓練」とか「ものづくり大学」といったことであろう。

以上、一見少子化とは無縁にあるように思える問題だが、フリーター問題、技術立国崩壊の問題、全部絡んでいるのだ。「職業訓練」をさせたところで、その後その人材をいかにして就労させ、安定した収入を得て結婚・子育てまで導けるか。ここまで考えて対策をしているかが問われる。ただ手に職をつけたところで、その分野での雇用が流動的だったり条件が悪かったりしたら、結局問題の改善にはつながらないのだ。

最後に、貴重なご意見をくださったととさん
BAKUさん、ありがとうございました!


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コメント 7

BAKU

お疲れ様!!
がんばってますね。なかなか。
またちょくちょく顔ださしていただきます。
by BAKU (2006-01-16 00:01) 

えいこう

この記事に限らず、いつも全て読ませて貰っています。
少子化問題に関する一連の記事では、俺さんの相変わらずな卓見を伺う事が出来ました。
一方諸問題に対して、希望的同行も散見されるようです。詳しくは書くほどの知識はありませんが、光明が全く見えないわけでもないようです。
ただ経済全体を見渡すと、懸念材料が山積なように思われます。
by えいこう (2006-01-17 00:07) 

俺

コメントありがとうございます。ま、頑張ってますよ。仕事も、バイトも、学業も、その他諸々も…

少子化問題、100%悪い方向に進むということでもなさそうですが、少なからず現状のままだと挽回は厳しいでしょうね。そんなことの追究記事をしばらくお送りすることになりそうです…でも、疲れるし頭使うので、せっかくいただいたバトンで気分転換といきたいと思います。
by (2006-01-18 00:04) 

midori

おはようございます。
うちとこにnice!頂き、ありがとうごさいました。
早速お邪魔です。
少子化問題も、若者雇用の問題も、私、当事者でございます。
えぇ「負け犬」ですし、会社では人事なぞやっておりますわ、おほほ。
子どもはねぇ、私一人でつくれるものではござんせんので置いとくとして(失礼)、
若い世代への仕事の技術や意識の引継ぎという点においては、
実際問題、かなり難しいなと切実に感じています。
by midori (2006-01-27 09:28) 

俺

ようこそお越しくださいました。
実際、問題点を口で言うのはたやすいですが、結婚し家庭を築き子どもをつくるというのは近年ますます容易でなくなってるように思います。
かくいう小生も21歳・独身ですし、一生結婚しないと心に決めてるくらいの極悪人ですので…だから、こういう問題を指摘する資格はないのかもしれません。この平成の時代に6人もこさえた橋下弁護士くらいの人がやっと言う資格があるのかもしれませんね。
by (2006-02-01 02:00) 

BigBrother

少子化社会に実は期待しています。
俺さんの5を早く読みたい。
気の利いた文章も書けないので、思いっきり固くブログで論文してみました。
トラックバック、これからもよろしくお願いします。
by BigBrother (2006-02-12 12:10) 

俺

こんばんは。コメントありがとうございます。
まだ頭がこっちの方へ来ていないので「5」はじっくりじんわりと書いていこうと思います。「3」も本当は一番重要なテーマなのに適当に流してましたよね。あれも書かねば。そちら様の記事もじっくり読んで感想など書かせていただけたらと思います。
今はまだ、頭で民生が吼えてるのです…
by (2006-02-13 00:24) 

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