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西湘レンジャーで見事、迷子に…その結末

さて、そんなわけで伊豆箱根鉄道なる電車に乗ったわけだが、
小田原を出て以降、一駅一駅進むたびに、周囲の景色が畑一色になっていく。
これはやばい。もう取り返しはつかない。
つーか、大雄山ってどこだよ。
その前の駅が富士フィルムって、まさか富士山の山麓??
そんなに近かったっけ???

なんて不安を抱きつつ、ついに終点到着。
改札を出る。

そこで見たものは……

き、金太郎??(左の方の熊に乗ったお坊ちゃん)

そう、ここは足柄。金太郎さんの生誕地である。

そして、どうなってるんだ。平日の午後2時。誰もいない!
周囲を見渡せど、観光客など誰一人おらず。
それ相応の飲食店など、一軒たりとも発見できず。
ただただ、ド田舎の駅前の風景。

遠くには山見えるし…

仕方ない、小田原まで来た道を戻るか。
いや、それはしたくない。
小生の得意技、「風に任せて一人旅」の大原則は、
同じ道を二度通らないこと。
必ず、より多くの経験をし帰るべく、来た道とは違うルートで家路に就くのが鉄則。
…なんて、23区内なら何通りにもできようものの、ここは西湘。
つーか、南足柄市。足柄って、あの足柄??
そう、おだわラ~~、ゆがわラ~、みなみあしがラ~と、西湘の3大名勝の一つ、
西湘レンジャーの3分の1の名所に今来ているわけだ。
しかし、何もない……こいつらが「市」であることが許せない。

うろうろしてると、やっとバスターミナルを発見。
止まってるバスは3台。
手前から、
「アサヒビール工場行き」
うーん、こんなところでビール飲んでる余裕ないわ。
つーか誰もバスに乗ってないし。そりゃそうか。水曜の午後2時。
次に、「地獄峠行き」(こんなような名前だったと思う)
うーん、この歳で、さすがにきょう初めて来た土地で骨を納めるわけにもいかないし…
どこに連れてかれるかわからんのでやめとこう。
そして最後。「新松田駅行き」
お、これはよさげだ。小田急の駅に出たら、そこから東京へ帰れるだろう。
そんな理由で、運賃も所要時間も知らないのに、このバスに乗る。
まもなく、出発。南足柄での滞在時間、正味12分なり。

そして……中学時代の陸上部の夏合宿で来たような山道を進むこと40分。
ついにアナウンスが流れる。
「次は、JR松田駅」
お??なんだ、松田ってJRも走ってるのか。こいつは都合がいい。
JRの方が小田急より本数多そうだし。
これでJRに乗って東海道線に出て、さっき行こうと思った茅ヶ崎あたりへ
足を運んでみるか。
そんなとっさの過ちが、全てを台無しにした…

降りて、駅へ向かい、「松田駅」の看板を見て、「松」の文字の左へ目をやった瞬間、
我が心は凍てつく。


JR……東海???????

何度目をこすっても、JRのロゴはオレンジ色だし、「海」は「日本」に変わらない。
海のままだ。
つーかここはどこだ。松田って神奈川県じゃないのか。
なんで神奈川に、関東に、JR東海が走ってるんだ。新幹線だけじゃないのか??
名古屋とか岐阜の方とつながってるのか?????

もはや我がメンタルマップは制御不能である。今、ありえない現実を目の当たりにしている。
関東のJRは新幹線以外全部JR東日本だと思ってた。
ついでに新宿までの運賃の高額さにも驚愕しつつ、ホームに出た時にジャストインタイミングで
ローカルな各駅停車は走り去っていった。

ここはどこだ。山に囲まれて、もはや絶対方向感覚も制御不能。
とりあえず、記念に一枚。

なんて落ち着きを取り戻しつつ時刻表に目をやってまた驚き。
次の電車は30分後。

ようやく、これが「御殿場線」という路線であることを理解するも、
もはや意気消沈。
そして待つこと30分。電車が来て、乗って、
それとなしに車窓を眺めたら、鉄橋の真下を小田急線が通ってて
さらに意気消沈。松田と新松田ってそんなに近かったのか。
それなら30分待たないで新松田まで歩いたわ。

結局それからどこにも行かず、
東海道線に乗り換えた後は鉄則を破って真っ直ぐ同じ道を戻り、
家路へと就いたのであった……

さて、こんなオチでしたがいかがでしょうか。
お目を汚してしまったお詫びといってはなんですが、このページをはじめてご覧になった
という方へは、是非とも本命の方へ遊びに来ていただくことをオススメします。


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コメント 7

俺さんのブログ、いつも読ませていただいてます。
思い立って、早川駅に行かれたこと、とても素敵だと感じました。
が、こんなオチがあろうとは・・・。(苦笑)

私も自分の気分で旅に出てしまうことがありますが、こういう失敗あります。しかも、私の場合は、ベルギーへ一人旅。しかも、ベルギーの公用語はフランス語。私は、フランス語わからんのに。そんな無謀さがたたって、迷子になりました。俺さんと同じように、自分の勘で行動したら、し、知らない場所に!!

日本国内では、大分で、一時間に二本しかない駅にたどり着いたり・・・。そんなところで妙に俺さんに親近感を持ってしまいました。(迷惑かもしれませんが・・・苦笑)
by (2005-09-26 01:13) 

俺

そうなんです、こんなオチで、早川の感動を半減させる結果となってしまい…

それにしても、海外の一人旅となれば国内以上でしょうね。神奈川程度でビビってる小生としては、想像すらできません…
by (2005-09-26 01:25) 

まめ

帰ってこられたので、めでたしめでたし~な、オチということで。
早川とのギャップもまた好きです。
こちらの風景も同じく好きです♪

大雄山て昔TVで、町興しにオリジナルのお土産を有名なシェフに作ってもらっていたような・・・記憶違いかな・・・一度行きたいと思ったことがあったような・・・
余談でした(汗)
by まめ (2005-09-26 02:11) 

SomethingPrecious

俺さん久しぶり。
結婚してから主人がふらっと出るのが好きなので地図だけで計画の無い小旅行によく出掛けました。
でもあまり迷ったことがないのと結構楽しかったのは、あっちこっちで土地の人に尋ねまわって情報をもらったからではないかと思います。一番近い「街(繁華街)」はどこか、はやってる飯屋はどこか、移動するのにはどういうコースで行くか.....など。
田舎に行くほどよそ者、つまり観光客への配慮は皆無になりますので、情報を得るmediaはその土地に根をおろしている「人間」以外にはなくなります。
拝読していて、駅員さん(それも無人化しているところも多いけど)とか、郵便配達さんとか、コンビニ店のお兄さんお姉さんとか、電車で同じ車両に乗った人の行き先とか、出会った人はみんなお友達と思って、人とのコミュニケーションしてみたら、何にも得られなかったということにはならなかったのではないかなという気がします。
その土地で暮らしている人の生活への敬意と興味を失わずに聞いてみると、結構向こう側から見た都会生活への考え方とか、面白い話が聞けるものだというのが私自身の体験からの感想です。
まあ、そういう時に静岡県内なら遠州弁が使えるという強み?もありましたが。「し~らんやぁ。ほんなこん、書いといてくれにゃあ、私らわかりゃへんじゃんねえ、ホイ」こんな感じです。(笑)
(翻訳:知らないわぁ。そんなこと、書いておいてくれなければ、わからないじゃないのねぇ。)
by SomethingPrecious (2005-09-26 09:12) 

Runa

笑っては 失礼ですが 笑って後編を 読みました。
無事帰宅されて 良かったです。
最高のオチでしたが とても のどかな景色で それは
それで 良かったと 思いました。
by Runa (2005-09-26 11:56) 

えいこう

こんばんは。
カチッとした文体も俺さんの持ち味ですが、こういう砕けた文章もいいですね。
大雄山駅、松田駅のひなびた風情。心細く、胸がキューンとなりそうなところが、逆にそそられます(笑)。
本命も良かったですが、私はむしろこっちの方が……。
by えいこう (2005-09-26 22:51) 

俺

こんばんは。皆さま、コメントありがとうございます。

大雄山で町興しのお土産ですか……まったくそれらしきものは見当たりませんでしたねぇ。一応12分間滞在したので記念に土産を買おうと思ったのですが、駅前の売店に瓦煎餅が売っているのみでした。

そして、確かに道行く人や駅構内の従業員さん方に尋ねる、というのも手でしたが、敢えてそれをしないのもまた「風吹くまま旅」では重要なのです…。今回は結果的に大失敗でしたが。いや、失敗かどうか、むしろいい経験になったかもしれません。

最高のオチと言えるかどうか…後編に写真が少ないのはお気づきでしょうか。あまりに撮りたい風景がなかったもので、記録がこれしかないのです…

確かにひなびた風情ですね。平日に行くとより一層日常が見えるので、それがまた好きだったりします。いわゆる「全日制住民」と言われる主婦や子どもが商店街で繰り広げる会話、電車内で盛り上がる学校帰りの高校生集団…休日は見られない日常ですな。
by (2005-09-27 01:32) 

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