SSブログ

★ことば038「焦げ付き」 [ことばトレンド最前線]

★シリーズ 【ことばトレンド最前線】 vol.038 2007.11.16
「焦げ付き」

アメリカのサブプライムローン問題が世界経済を震撼させている。本当に震撼しているのか知らないが、ニュースは連日「問題」にし、「震撼」を伝えている。
「なぜ低所得者層向けローンがしくじったのか?」「それがなぜ日本経済と連関するのか?」「対応策は?」等々部分的な疑問については「それは赫々然々です」と解説が入れられるが、大局を把握するのは容易ではない。
ところで、なぜ「住宅ローンの焦げ付き」という表現をしているのか。こうした疑問を持った時、誰に聞いても「借金回収が困難だったり相場に変動がないことを『焦げ付き』と言うのだ」という通り一遍の回答しか返ってこない。
なぜそう表現するようになったのか。どんなニュアンス、意図があるのか。料理用語が経済界に進出した背景は…玄人であるほど想像と探究を排し、正解言辞を覚えて語る時限に留まってしまう。
ここに、辞書信仰者の限界がある。まさに思考の焦げ付きだ。


nice!(5)  コメント(2) 
共通テーマ:blog

nice! 5

コメント 2

okko

これは、納得のいく表現だと思います。
不注意で、煮物を焦げ付かせてしまったナベを、完全に元の形に洗い、剥がし・・・・の苦労がある者でなければ分かりません。
辞書に出ている言葉プラス実体験で、理解できる例ではないでしょうか?
by okko (2007-11-16 09:53) 

俺

なるほど、そうかもしれません。定義プラス実体験。言葉誕生の現場は生活との連想・連関が多いようですね。

包丁一つ握ったこともないような銀行マンが焦げ付き、焦げ付きと連呼しているのにはどうも笑えてしまいます。
by (2007-11-18 00:32) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。