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★ことば016「広辞苑」 [ことばトレンド最前線]

★シリーズ 【ことばトレンド最前線】 vol.016 2007.10.25
「広辞苑」

「ことばトレンド」と銘打っている以上、無視するわけにもいかないので、触れておく。
広辞苑の第6版が完成したそうだ。「いけ面」「うざい」など新語搭載に関する報道が目立つが、昨今の出版界の事情を如実に示す結果とそれを持ち上げる単調メディア論調であり、取り立てて注目するまでもない。
今や我々はインターネットの検索エンジンを手にした。取捨選択さえ誤らなければ、時々刻々と変動する立体的、活動的な情報・知識を瞬時に得ることができる。
では、現代における辞書の果たす役割とは何か。字引きなら、ケータイでもできる。新語搭載の鮮度がネットに敵わないことは、イミダス廃刊などでも証明されていることだ。
これは新聞対ネットにも言えるのだが、特定の専門機関による紙媒体の使命とは、「残す」ことではないだろうか。
「辞書から落ちた言葉」に注目したい。言葉の背景を読み、人間を・社会を・世界を知る。辞書が「検索」と一線を画する点だ。


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okko

電子辞書が出現して、本棚で場所をとっている「広辞苑」は捨てました。辞書から落ちた言葉を集めた辞書なんて出来るかも。
昔、翻訳を仕事にしていたときに教えてもらった貴重な教訓。辞書に載っていない言葉を捜しなさいでした。
言葉の綾は、辞書には出ていません。
by okko (2007-10-25 14:30) 

辞書から落ちた(載ってない)言葉、確かに気になります。
PCや携帯の影響だと思いますが、難しい漢字は出てくるのに、正確に読めない人が多い気がします。
某政治家が「言語道断」を「げんごどうだん」とTVで言っておりました・・・。
あと、「団塊の世代」を「だんこん」って言っていたり・・・。(-ω-;)ウーン
by (2007-10-27 01:39) 

俺

コメントありがとうございます。励みになります。

「辞書に載ってない言葉を捜せ」確かに、それは大事なことですよね。翻訳の仕事となるといっそう、言葉との関わり方が慎重に、丁寧になりますよね。

あと、漢字の読み間違い…これも問題ですね。昔の政治家は、良くも悪くも我々素人は知らないような難解な言葉を使って答弁したものです。曖昧模糊な言い回しで逃げるというのは悪しき点ですが、しかし何でも「分かりやすさ」がいいかというとそうでもなくて、政治家やテレビに出て大衆の模範となるべき立場の人間がそうして難しい言葉を積極的に使っていくのは大事なことだと思うんです。それを聞いて、皆覚えたり関心を持てるわけで。
今はたまに福田さんが喋ると「久々にこんな言葉を聞いた」なんて記事にされますが、あれは記者の不勉強ですね。まして政治家が漢字の読み間違いなんて、論外です。
by (2007-10-28 13:32) 

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