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きょうの出来事 [雑記]

長寿番組が終わった。
半世紀以上続いてきた大切な番組を一時の不振に左右されて改変してしまうのは
どうなんだと思う。

最終日の放送をちらっと見た。過去を振り返りつつ、
「伝えられたもの、伝えられなかったもの」というテーマで
真摯に自分たちを振り返って検証・反省していた。
まず、その姿勢が他局のこの時間帯には在り得ない、とても大切なことだと思う。

半世紀前、最初の放送が始まった頃には21時頃のO.Aだった。
時代の変遷とともに夜は遅くなってきているが、「一日の出来事を伝えていく」
という使命を持った番組の柱は不動のものだった。

櫻井よしこ氏の功績も大きいが、個人的には井田由美キャスターの語っていた
姿勢こそがまさにこの番組を象徴していると思う。
それは、キャスターが意見を述べたり、あっちからもこっちからもと脚色して
ニュースショーをしていく他局とは一線を画した、「事実を淡々と伝える」という
一貫した姿勢だ。
井田氏は「そぎ落とす」という表現をしていたが、まさにその通りであって、
余計な脚色をしないで伝えることで、視聴者のそれぞれの受け止め方が
成立し、そのニュースが持つ本質が伝えられるのではないかと。

報道屋は国民を扇動することが役割ではない。利害に影響されてもならない。
世論を操作するのではない。喚起させる所までで留まらなければならない。
越えてはならない一線を越えずに境界線上で戦い続けてきたのが唯一、
きょうの出来事だったと思う。

キャスターの私見は放送後記で十分だ。
ニュースショーはショーであって、報道ではない。

こういう番組が民放からなくなっていくのには危機感を感じる。


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bakyuko

やっと、私と同じ思いの人がいました。
ブログを検索しても、嵐のファンばかり。。。
仕事の後、しっかりしたニュースを見て床についていたので、やっぱり終わってしまったことに残念に思う方がいて、うれしいです。
やはり、地に足がついた、着色が少ないニュース番組がほしいものです。
共感!!
by bakyuko (2006-10-05 00:08) 

えいこう

私も、キャスターのお仕着せがましい正義論は不要だと思います。だいたい言論の自由が保障された国家では、体制(警察等、権力全般を含めた)批判をしているのが一番安全です。それで正義面して、国民に媚を売ってもなんにもならない。事実だけをありのままに伝えてくれればそれでいい。それをどう判断するか。それは見る側が考えることだと思います。
by えいこう (2006-10-06 23:53) 

俺

こんばんは。コメントありがとうございます。
地に足の着いた、着色の少ないニュース。いい表現ですね。確かにおっしゃるとおり、そういうものが必要なんだと思います。NHKの9時ニュースもインタビュー中心で意見意見声声の構成になってますし、見る側が判断することの必要性はやはりありますよね。確かに、体制批判をしてるか、逆に権力べったりの追従型かの両極端で、いずれにせよ本質から遠ざかっていますよね。
by (2006-10-07 01:29) 

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