★ことば253「つとに」 [ことばトレンド最前線]
★シリーズ 【ことばトレンド最前線】 vol.253 2008.6.18
「つとに」
「つとに最近は…」という文章表現は間違っている。「つとに」とは「以前から」という意味であって、「特に」という意味ではない。その場合は「ことに(殊に)」を使うか、「特に」を使えば良いのではないか。「つとに」という表現自体使う機会はあまりないが、他には枕草子の「冬はつとめて」と同義の「早い」という意味もある。
ところで、「つとに」は漢字で書くと「夙に」となる。なぜ「夙」という字なんだろう。この字は会意文字で、「月」と「両手で働く」を合わせたものだ。月の出る夜も急いで夜なべをすることをこの字にしたのだ。
だから、「つと」。以前から、急いだ。そこまでなら良い。問題は、この字が「しゅく」として、近世の賤民を指す言葉だったということだ。なぜ、「早い」や「以前から」が夙の者などと賤民として使われたのか。
守宮で「しゅく」を、違う字に当てたのか。賤民にも評価すべき点がある、とその字にか。否、考えすぎか。
(396文字)
「つとに」
「つとに最近は…」という文章表現は間違っている。「つとに」とは「以前から」という意味であって、「特に」という意味ではない。その場合は「ことに(殊に)」を使うか、「特に」を使えば良いのではないか。「つとに」という表現自体使う機会はあまりないが、他には枕草子の「冬はつとめて」と同義の「早い」という意味もある。
ところで、「つとに」は漢字で書くと「夙に」となる。なぜ「夙」という字なんだろう。この字は会意文字で、「月」と「両手で働く」を合わせたものだ。月の出る夜も急いで夜なべをすることをこの字にしたのだ。
だから、「つと」。以前から、急いだ。そこまでなら良い。問題は、この字が「しゅく」として、近世の賤民を指す言葉だったということだ。なぜ、「早い」や「以前から」が夙の者などと賤民として使われたのか。
守宮で「しゅく」を、違う字に当てたのか。賤民にも評価すべき点がある、とその字にか。否、考えすぎか。
(396文字)
とても勉強になります。
by kimagure (2008-06-21 01:09)
ありがとうございます! そして、me too でございます。殆んどコメントできず恐縮ですが、日々貴サイト拝見しています。素晴らしい先生のもとで、高貴な勉強をされているのが羨ましい限りです。
by 俺 (2008-06-23 15:33)