★ことば172「風刺」 [ことばトレンド最前線]
★シリーズ 【ことばトレンド最前線】 vol.172 2008.3.29
「風刺」
最近とんと見かけなくなった。せいぜいが悪口か嫌味の次元で、風刺のきいた文章とか、風刺画とか、例えば歴史の教科書に載っているようなものは、今は誰も描けなくなってしまったのか。
おそらく、風刺画を書くまでの境地に至らないのだろう。せいぜいが日常のトラブルか政治への不満で、しかも根本的に、自分達の自由を侵害されているといったような迫りくる背徳的絶対権力というものでもない。悪口、文句、愚痴…叩いて叩いて叩いたらどうにかなってしまう。むしろ、叩くことによって獲得しようということではないのだ。もちろん権利こそ声高に主張するのだが、自ら主体的に獲得しようというものではなく、座視したままで、「なんで持ってこないんだコラ」という傲慢な姿勢だ。
権力側も、点取りのためにその次元に降りてくる。それがますます庶民の驕慢を助長する。
そのうち本当に賢い権力者が出現するだろう。すると、庶民は知らぬうちにペンを持てなくなる。
(400文字)
「風刺」
最近とんと見かけなくなった。せいぜいが悪口か嫌味の次元で、風刺のきいた文章とか、風刺画とか、例えば歴史の教科書に載っているようなものは、今は誰も描けなくなってしまったのか。
おそらく、風刺画を書くまでの境地に至らないのだろう。せいぜいが日常のトラブルか政治への不満で、しかも根本的に、自分達の自由を侵害されているといったような迫りくる背徳的絶対権力というものでもない。悪口、文句、愚痴…叩いて叩いて叩いたらどうにかなってしまう。むしろ、叩くことによって獲得しようということではないのだ。もちろん権利こそ声高に主張するのだが、自ら主体的に獲得しようというものではなく、座視したままで、「なんで持ってこないんだコラ」という傲慢な姿勢だ。
権力側も、点取りのためにその次元に降りてくる。それがますます庶民の驕慢を助長する。
そのうち本当に賢い権力者が出現するだろう。すると、庶民は知らぬうちにペンを持てなくなる。
(400文字)
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