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大統領暗殺 @新宿武蔵野館 [映画]

大統領暗殺
監督・脚本:ガブリエル・レンジ
Cast:ジョージ・W・ブッシュ/ディック・チェイニー


久々に退屈な映画を観た!アクビ連発。
…と書くと以下読んでもらえないかも、と不安ですが、
一応記事にする価値はある映画だったので、こうしてつらつら述べております。
映画の記事は基本姿勢としてこれまでオススメな映画をオススメだ!と叫ぶことだけを
してきましたが、今回はちょっと趣向を変えて、「これ、どうよ」と問題提起したいと思います。

2007年10月19日、アメリカ合衆国大統領、ジョージWブッシュが暗殺される…
こんな設定をして、「フィクション」と断りを入れながらも非常に忠実にリアルに描いていく。
何といったって、ご本人が出演しているのだ。
まるで本当の出来事だったかと錯覚してしまうようなつくりは秀逸だ。

しかし!やはりこういう映画を作る人だけある。マイケルムーアとはまた違ったタイプなのだが、
メッセージ性が全面に強く主張されすぎていて、胸焼けを起こしてしまう。
後半は展開が読めるし、「で、何なの?」という率直な思いが眠気を誘う。

おそらく製作者の意図としては、ブッシュ暗殺という現実に起こりうるかもしれない、けど
ありえない設定を通して、リアルな今のアメリカの深層部分をあぶり出しにしたかったのだろう。
というか、あぶり出しにした気でいる。暗殺シーンとか繋いでいてデヘデヘ笑ってるんだろうなぁ
とか思わず監督の顔が浮かんでしまう感じだ。

しかし、こんな事当たり前のことだろう、言わずもがなだ、と思うのだが…。
繰り返しになるが、「で、何なの?」と言いたい。
これを見て反ブッシュ派は喜ぶのか。差別対象者は救われた気持ちになるのか。
何だか虚しい。こういう現実だというのはもはや周知の前提じゃないのか。
ブッシュが極悪非道で、こういう国内の現実があって、あの戦争があって、
で、これからどうしなければいけないのか。そこまで到達していない。
していないくせに、全部焙り出したかのような、しつこい意見前面化。
「もしも大統領が暗殺されたら…」と、せっかくいい設定をしたのに、活かせていない。

要するにね、正論を持ったらそれを愚直に振りかざしてさえいれば事態が好転するだろうという
甘い考えがあるんですよ。勝てもしないのに選挙に出るんなら、共通の敵を持つ最有力候補を
バックアップして、見返りで自分の主張を通させていく、という知恵のような。そういうのがない。
変えるためには、出るしかない!って愚直な正論で出馬して、2番手候補の足を引っ張って、
結果的に敵の1番候補を勝たせてしまう、というような。ちょっと、いやだいぶズレた例えだが。

華氏911があれだけヒットして、相当なフィーバーがあったのに、それでもブッシュが2期目で
圧勝したのは何故か。この監督にはまずそこの分析をすることから始めてほしい。


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