★ことば015「雰囲気」 [ことばトレンド最前線]
★シリーズ 【ことばトレンド最前線】 vol.015 2007.10.24
「雰囲気」
一体どんな意味を持つ言葉なのか。気になって、調べてみた。
「雰」というのは吉凶を伺わせる気のこと。空気、ムード、感じ、気分…などが類語になる。雨かんむりの字で、漢和辞典で引くと前後に気象関連の文字が続く。
我々をとりまく、壮大な宇宙空間。東洋医学、気象、気学など古来の学問分野から、「空気読めない」「いいムード」など卑近の会話に至るまで、あらゆるところに「気」は登場する。
それは科学の対極に根ざしている学問体系である。先人は、科学的知識を得る前から、非常に科学的正解に近い結果を出していた。気学によって、相性や組み合わせ、方位などを見ていたのだ。
現代では施政に「気」を取り入れることはなくなった。医療現場も、西洋医学のデータ中心主義に取って代わった。占いや趣味の範囲に残存するのみである。しかし、どこか気になる。感や勘も、大切な人間の能力だよなぁ。ロボットには絶対に真似できないよなぁ。そんな気がする。
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