美式天然 @東京国際映画祭・六本木 [映画]
美式天然 CLOUDS OF YESTERDAY
監督・プロデューサー・脚本・編集・音楽:坪川拓史
Cast 高木 均/吉田日出子/高橋喜久代/小松政夫/常田富士男
これが今回観た3作品の中では一番印象に残る名作であった。
これは今までにない斬新さと、懐かしさと、不思議な感触の作品だった。
残念ながら国内での上映予定はないということだが、昨年の「そうかもしれない」のように
忘れた頃にどこかミニシアターでもいいので上映してくれないかなぁと
ひそかに期待している。
昭和のはじめと現代とを交錯させながら、レトロと今との繋ぎ目を見事に描いている。
そして、昔がカラーで現代がモノクロという描写も斬新だ。
それはあの幕の龍(でしたっけ)をどうしてもカラーで撮りたかったからだそうだ。
現代はまた現代の親子・家庭の問題をうまく問題提起している。
常田富士夫のおじいさんがいい味だ。
そしてまた、音楽がいい。監督の楽団「くものすカルテット」にも注目である。
あんまり事細かには語りたくない。なんだかうまく語れないし、
一口では語りきれない味がある。
とにかく、劇場に足を運んでほしい…のだがどこでも公開してない…
最後に、監督に手紙を書いてみた。おそらく読まれることはないだろうが。
本日、東京国際映画祭にて観させていただきました。
いい言葉が見つかりませんが、ただただ心が温まりました。
つかみとることのできない空や海の青。でも、その青に包まれて、生きていく人々。蝶は人のため息で漏れた幸せの象徴のようなものなんだと…そんな蝶を無邪気で追いかける少年のようなおじいさんと、お父さん、そしてそれを取り戻す娘。モノクロで描かれている現代も、とても暖かさを感じました。
そして、監督のお話も実際伺うことができましたが、きっと、監督ご自身のお人柄がこの9年という長い歳月を経て、奇跡の連続を呼んで、完成に至らしめたのではないかと思いました。
是非、日本でももっともっと多くの人に観てもらいたい作品だと思います。素晴らしい時間をありがとうございました。
お手紙、拝受しました。
ありがとうございます。
「美式天然」ご覧頂けました事、本当に嬉しく思います。
来週、新作「アリア」が完成します。
こちらも、ご覧頂きたく願っております。
が…こちらも上映は未定です。
いつか、どこかで、かならず。
とりいそぎ
御礼まで。
坪川拓史
by 坪川拓史 (2006-11-05 22:09)
監督からコメントを頂き、光栄に存じます。ありがとうございました。
ティーチインでの監督の話しぶりやエピソードからも、本当に人柄の温かさが伺えました。今後の益々のご活躍を祈念しております。
by 俺 (2006-11-07 00:56)