■『未来をひらく歴史 東アジア3国の近現代史』 [書評]
書評
未来をひらく歴史―日本・中国・韓国=共同編集 東アジア3国の近現代史
日中韓3国共通歴史教材委員会 編
未来をひらく歴史―日本・中国・韓国=共同編集 東アジア3国の近現代史
- 作者: 日中韓3国共通歴史教材委員会
- 出版社/メーカー: 高文研
- 発売日: 2005/06
- メディア: 単行本
朝鮮戦争をめぐって議論をすべく、幾つか文献をあさった。その一つがこの本。
詳しいプロセスはわからないが、日中韓の3ヶ国が共同で戦前・戦中・戦後の歴史を振り返り、共同で歴史教科書をつくろうという試みらしい。
中高生でも手軽に読める文体になっており、また3ヶ国それぞれの側面から一つの事象に迫るという切り口は斬新で、大変有意義である。
何より、3ヶ国がこのように共同で歴史教科書を編纂しようというプロジェクトは大変意義深いことであり、戦後60年を経た東アジア各国の行く末を担うべく一つのベクトルを示したという点においては評価されるべきであろう。
ただし難点を言うならば、この本、かなり左寄りに書かれているということである。
おそらく、そっち側の人間が多く名を連ねているためであろう。
まだまだこの国は右傾化と右傾化に対抗するための極左という二極でしか
歴史を振り返ることができないのだなぁということが、
この本とそれへの評価から読み取れるのである。
平和とは腰を砕くことではない。妥協することでもない。
といって、大国にすがるだけが能ではないとも思う。
この問題は、日本テレビの「太田総理…秘書田中」でも取り上げて議論していましたね。
客観的に作るのはなかなか難しいとは思いますが、意義のある試みだとは思います。
by えいこう (2006-10-27 21:29)
客観的にというのは非常に難しいですよね。相手の理解と自分の主張を同程度尊重した時に見えてくるものなのかもしれません。
by 俺 (2006-10-31 00:02)