沼部 【シリーズ・東京紀行】 [紀行]
沼部といってどのくらいの人に通じるかは分からないが、
「東急多摩川線の、住所は大田区田園調布の、桜坂のあるところ」と言えば
「あぁあそこか」と分かる人も多いのではないか。
そう、年甲斐もなく??性に合わないような??桜坂に行ってきた。
しかもこの季節に。
当然人なんて誰もいるわけもなく。
何があるというわけでもなく。
ただ、静かに小雨が降っていた。
マンホールの下の雨や汚水やが流れる音。
キジバトのかすかな鳴き声。
時々通る新幹線の通過音。
叢の鈴虫の声。
「無」を演出する音に包まれていた…
坂を下り、河原を歩いた。
東京高校の学生達が野球に興じていた。
笑い声が川へ吸い込まれ草に吸い込まれ空の雲に吸い込まれていった。
気づけば鵜の木まで歩いていた。
すれ違い、雨を恨む会話を二三話する。
タイヤの音が雨と一緒に掃除をする。
暖かくも寒くもなく…駅まで来ると、雨が止んでいた。
ありゃま、そこから、大声で呼んでくだされば、聞こえたかも・・・
多摩川に面して、無粋な高層マンションが建ち並んで、昔の風情はありませんが、家からあまり遠くないところに、こんな川がながれてる自然があるって、気分的に解放感を味わえます。
by okko (2006-09-13 13:52)
お近くに住んでいらっしゃったのですか。確かに新興の住宅は若干違和感がありましたが、まだまだ閑静な雰囲気と多摩川線(旧目蒲線)の情緒漂う駅前商店街は健在ですよね。
by 俺 (2006-09-18 00:35)