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『金融腐食列島[呪縛]』ほか、最近見た映画 [映画]

最近見た映画をざざっと。

◆魁!クロマティ高校 THE MOVIE
DVD借りました。まぁひどい。よく作ってて途中で挫折しなかったなぁ。
30分くらいでもう飽きちゃいました。
思ったほど笑うところもなかったし、ストーリー構成・展開はめちゃくちゃだし、
これは劇場に見に行かなくて正解でした。

唯一の見所は、遠藤憲一のプータンかな。
いい味出してます。



◆宇宙戦争
DVD借りました。
きわめて個人的な感想ですが、見るに耐えられなかったです。
人間の醜さと有事の際の恐怖感とが怖ろしいくらい忠実に描かれていて、
スピルバーグの偉大さを感じるとともに、気持ち悪くて吐きそうになりました。
リアルにドキュメントを見てる感覚になってしまい、とても見れたもんじゃなかったです。
んでもって、アメリカ人はほんと大げさというか熱狂というか、あの文化は日本人には
なかったものだし、私も古い人間なので熱狂する文化は持ってないので、
ああいうのは生理的に受け付けないですわ。

きっと、平日の朝とかに震度7の地震が起きたら、或いは東京でテロリズムが起きたら、
ああいう感じになるのかなぁと思いました。
朝のラッシュ時の電車でもそうでしょ。みんな一分でも早く行きたいと思うから、無理して
急行に乗ろうとする。人を突き飛ばしてでも、押してでも、乗ろうとする。
君一人が今しまりかけてるドアに無理やり体を押し込んで乗ろうとしたら、
きっとドアが閉まらなくて発車できなくてこの電車が2分くらい遅れるわけだよ。
で、そうすると後続の電車も遅れるから、何万人にも影響が出る。
それは分かってるんだけど、でも自分ひとりだけがあきらめて一本待つのはなにか
損した気になる。だから、無理に乗る。

つまり、蜘蛛の糸なんですよね。
誰がどう考えても、この大勢の人間がみんなつかもうとしたら切れちゃって
誰一人助からない結果になる。それは誰もがわかってる。
じゃあ誰がその糸をつかむんだよ、ということになって、その限られた人数を
選び出すのに誰かが割り振ったりルールがあったりしない限り、
みんな自分が助かりたいと思うから、だから一斉にしがみつく。
自分はあきらめてでも、誰か助かればいいや、なんて心の広い人間は
誰一人いない。いや、むしろそれは心が広いんじゃなくて人がいいというか
馬鹿というか、サバイバル能力が劣ってるんですよね。

…なんてことを考えてしまいました。
こういう根源的な哲学を持った作品はというと、やっぱり蜘蛛の糸なんですよね。
それが余計なものを全部そぎ落とした寓話的な、或いは物語という比喩によって
暗示されて、浅い読解から深い洞察まで出来る幅がある。
これはやはり芥川の天才的なところでしょう。
と考えると、スピルバーグ作品はまだまだ思索的なテーマとしては不十分なんですよね。



◆金融腐食列島 [呪縛]
テレ東で深夜にやってました。半分寝ながら見てたのでしっかりと見れたわけでは
ありませんが、まぁ面白かったですよ。
公開当時に見に行きたかったのですが行けず、すっかりその存在すら忘れてましたが、
今改めてみるとまた公開当初の自分とは違った視点で見れた気がします。

やっぱり呪縛なんだよなぁという感慨を抱きました。単に銀行マンの話ではなくて、
社会全体に通じるテーマはあって、さらにこの映画が公開された当時の時代背景も
考えると、当時の作品としてはかなり過激だったと思います。
それに比べると最近のこの分野の邦画は戦争モノばっかりで、テーマが浅いですよね。
あんなもん、ただの戦いごっこの延長だし、ちびっ子の戦隊劇画の延長ですよね。



◆戦国自衛隊
これは映画の方じゃなくて、火曜日に日テレでやってたやつ。
意外と面白かったし、小生の身の回りの価値観が合う人は皆面白いと言ってました。
最近はこういう「タイムスリップしちゃった」「あと○日しかない」的なテーマで描かれる
作品が多いですね。ちょっと前だと「漂流教室」とか、今やってるドラマだと「神はサイコロ
を振らない」とか。結構考えてるなぁと思います。こういうテーマで描く以上、
深く考えずには書けないですよね。

一つ文句を言わせていただくならば、石田三成が竹中直人なのは絶対に
キャスティングミスだと思う。だって、どう見ても秀吉じゃん。
家康はいい味出してると思いますが。

そして、このご時勢にあって渡部篤郎の方が主役じゃなくて反町の方が主役になってる
というのがなかなか面白いなぁと思いました。自衛隊員なのに争いを避けたい気持ちが
抑えきれずに、そっちの方が陰陽でいうと陽の方になっていくという、これは
来週の続きが気になるところです。

で、当たり前なんだけど、反町はじめ自衛隊員たちは戦の後の死骸塚を見て嘔吐する
んですよね。人一人死んだらえらい悲しむのが当たり前の価値観という現代にあって、
平和主義・非戦主義の国といわれながらも日ごろ演習をやってる自衛隊員たち。
そんな彼らが、一番多く殺したやつが英雄になって天下を取るという時代に来てしまい、
その価値観を迎合せざるを得ない状況にいる。受け入れなければ自分が殺される。
そこで、どう生きていくか…深いテーマですよね。
時代劇においては人が大勢死ぬのは当たり前なので、反町たちが死体に嘔吐している
場面は見ている側として正直違和感を感じました。でも、それは我々が時代劇を
見ている感覚の所に現代の感覚の人間が出てくるからであって、この辺の
描き方が今までにない感じで、斬新だなぁと思いました。
人殺しゲームに興奮してる連中には是非この感覚を体験してほしいです。

…というわけで、忙しいながらも最近見た映画・長編ドラマについて簡単に
感想を書いてみました。クロ高以外、全部面白かったです。
宇宙戦争はボロクソ書いてますが、それは映画自体がつまらなかったということではなくて、
映画に描かれているリアルさに恐怖してしまったのと、アメリカ人の感覚への抵抗が
本能的に出てしまったので、そういう感想を持ったのです。だから、深く考えさせる
意味ではあの映画はよくできているし、やっぱりスピルバーグという人はただものじゃないと
(こんなこと今さら言うまでもないですが)改めて感じた次第です。
ミュンヘン楽しみだなぁ。


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