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■『失礼ながら、その売り方ではモノは売れません』/林文子 [書評]

最近学術書ばかり読んでいたので、実にサクサク読めた。
通勤・通学の移動時間で、あっという間に読了。


★失礼ながら、その売り方ではモノは売れません
 林文子(ダイエーCEO) 亜紀書房
 2005/07・第一版発行

毎度取り上げている、我が母校の先輩として、経済界のトップランナーとして、
今最も誇れる達人の書き下ろし本。

当ブログではもう二、三度林さんについては取り上げているので敢えて説明するまでも
ないが、もし林さんをご存じないという方は、是非小生の書いたこちらの記事などを
ご高覧いただきたく思う。

さて、この本だが、内容的にはビジネス本、それも営業マンを対象にした話が多い。
しかし、商売をやる人全て、いや、全てのビジネスマンにオススメの内容と言える。
小生も一応出版の業界についての知見は微々たるもののゼロではないので分かるのだが、
これはおそらく編集者がインタビューを中心に林さんから話を引き出して、それを元に
起こしたものだと思える。それ故かどうか、今どきの本に倣って改行が多く、各項目が
2頁ないし4頁にまとまった構成で、非常に読みやすい。取っ付きやすいので、これは
あんまり本を読まない人にもオススメできそうだ。
そして中身だが、これは言うなれば「林イズム」が全て集約された入門書という感じだ。
彼女の人生経験をベースにその時々で見出した自身の信念、哲学が隅々に書かれている。
そして、それは単に車のセールスということに限定されず、あらゆるジャンルに適応できる
ように思う。ノウハウというより、観念的な内容が中心だが、きっと勇気をもらえるだろう。

そして、彼女が注目される理由の一つでもあるが、働く女性というテーマでの記載も多い。
今の世の中において男女差というのは日々薄まりつつあるのだろう。彼女自身も
「男女差が何だ」「仕事に対する考え方・やり方の違いや体力的な差こそあれど、
どっちが有利、どっちが優秀ということはない」と確信を持っていらっしゃる。
その上で現実を見据た実践論を語っている。
まぁ実践論と言っても殆んどは自信を持つこと、ひたすら努力することなのだろう。
改めて林さんのこれまでの人生がいかに険しい山登りの連続であったかということを知り、
ますます敬意の念を抱くとともに、恥ずかしながら(いや、別に恥ずかしいことじゃないか)
大いなる勇気と後押しをこの本から頂いた気がする。

彼女はすごい。とにかくすごい。簡単そうな道と険しい道とがあれば、険しい道の方が
失敗もするかもしれないが達成した時の喜びは大きい。だから迷ったら常に険しい方を
選んで来た。いや、それは後付けで、選んできた道を後々見たらどれも険しい道だった…
なんて、そんな生き方をしている人がいて、実際実績を上げて輝いているのだから、
「不況だから売れない…」「自分は女だから就職活動がうまくいかない…」なんて
甘ったるいことは言ってられないのだろう。
とにかく、やるしかない。そんなメッセージが込められた一冊だ。

失礼ながら、その売り方ではモノは売れません

失礼ながら、その売り方ではモノは売れません

  • 作者: 林 文子
  • 出版社/メーカー: 亜紀書房
  • 発売日: 2005/07/01
  • メディア: 単行本

毎度ド下手な読書感想文ですみません。


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コメント 2

nurumayubiyori

>毎度ド下手な読書感想文ですみません。
いえ、とても分かりやすくていいかと思います。ありがとうございました。
by nurumayubiyori (2005-10-31 00:36) 

俺

恐縮です。林さんの素晴らしさだけでも伝われば十分かと思います。
by (2005-10-31 20:41) 

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